MIKE BALTER LB5
本日は少々変わったものをご紹介申し上げる。
マイク・バルターのLB5という、ルイ・ベルソンモデルのジングルスティック。
上の画像は購入時の袋と並べたもの。
ジングルスティックと言えば、普通はこういうの↓を思い浮かべるのだろうが、
本日ご紹介申し上げるのは、ちょっと異なるのです。
ルイ・ベルソンのジングルスティックの話に戻ります。
袋にはベルソンのサインがプリントされたシールが…。
スティック本体には普通の印刷書体で"Louie Bellson"の名前とモデル名がプリントされている。
メイドインUSAだそうだ。
マイク・バルターは同名の打楽器奏者が興したブランドだそうで(スティックでいうヴィック・ファースみたいなものだろうか)、マリンバやヴィブラフォンといった鍵盤打楽器のマレットが主力製品のようだ。
ルイ・ベルソンはジャズドラマーで(フルバンでの活動が有名)、元祖ツーバスドラマーでもある。亡くなってから10年以上経っている。
このスティックのキモは、見た通り、タンバリンのジングルがついていることであり、ドラムやシンバルを叩くとタンバリンのあのシャンシャンいう音が鳴る。
ジングル取り付け箇所。
木ネジで半ば強引にくくりつけられている感がありあり。
横から見ると…
どう見ても木ネジです。本当にありがとうございました。
ちなみに、木ネジは裏側まで貫通はしていません。
材料さえあればDIYで普通に作れそうな気がするのだが…。
ジングルについては思いのほか厚みも重量もあるようで、モンキータンバリンの安物のやつとはまた違ったしっかりした音がする。
最初に手に持ってみた時は、思ったより長くてごついスティックだなあ、ベルソンはこんなスティックであんな繊細に叩くのマジ?と思ったのだが(そう、ルイ・ベルソンは繊細に叩くドラマーでもあるのだ)、Vic Firth 5Aと並べてみると同じ長さだった。
使用方法は普通のスティックとだいたい同じである。
ジングルでリムショットしたりしなければまぁ大丈夫でしょう。
下の動画では6:29-7:13でジングルスティックが使用されている。
Louie Bellson: Ladies and Gentlemen ...with extended Drum Solo
ベルソンが使っていたようなジングルスティックがいつからあるのか、以前は別のメーカーから販売されていたのか、等々調べられていないが、モノ自体はかなり前からあるようだ。
1967年の動画(8:29-9:36でジングルスティック使用)。
下の1957年の動画は音質がアレなので判別できないが、0:24-1:10で使用されているのもジングルスティックだよね?
Louie Bellson - 1957 Skin Deep Solo
楽曲で使用されている例としては、自分が把握している限りでは、"150MPH"というアルバムの"Spanish Gypsy"という曲は、頭から最後までジングルスティックで叩いてるんじゃありませんかな?
Louie Bellson Big Band - "Spanish Gypsy" 1974 Louie Rides Again
この曲では基本リズムでもフィルインでもドラムソロでもタイコやシンバルの音と一緒にジングルの音が鳴っているしね。ドラマーと別にパーカッション奏者もいるんだけど(この曲ではポーカロ父が担当している)、ドラムと完全にユニゾンでタンバリンを鳴らしたりはしないだろう。
余談だが、"150MPH"というアルバムは元々自主製作盤で、ベルソンがコンコードと契約して、コンコードから発売されるようになったんだそうだ。
このマイク・バルターLB5ジングルスティックはすでにディスコンである。ネットで探した限りでは、国内で在庫持ってて売ってる店は知りません。
これを持ってる人は日本に何人いるんだろうね?