ポンタが亡くなった

何と言うかもう、自分が若い頃からその音楽や演奏を聴いてきたミュージシャンがどんどん亡くなっていく。あまりにも次々と亡くなっていくので、ミュージシャンの訃報だけでブログ更新の話題に困らないんじゃないかと思ってしまうほどだ。
先日もラルフ・ピーターソンが亡くなっていたのを知って、たまにはこのブログも更新しなきゃなぁ、今度この話題で更新してみるかと思っていたところにとんでもない訃報が飛び込んできた。村上"ポンタ"秀一である。

 参加作を片っ端から追って聴いたりしたドラマーではないが、これは流石に仰天した。
ポンタはあらゆるジャンルやリズムを叩いたが、一番得意なのは16ビートだと思う。細かい音符を叩いてもスピード感がありながらゆったりしたような大きい感じではあるのだが、アメリカのドラマーのコピーではなく、あっちで近似したものがちょっと思いつかないノリとかグルーヴとか(ノリとかグルーヴとか自分は実行するのが苦手なので好きな概念ではないのだが、他に表現しようがないかなあ)、あるいは流れと言うか、そういうものを持っていた。
あと、音が良いと言うか、尖ってないと感じるのも特徴だろうね。音が良いと言っても、アコースティックジャズの人らとも違う音だし、かと言って他のロック系の人らとも違う音に感じる。
もうXX年前の学生の頃、雪が降ってクッソ寒くて足許が凍る中、自分への誕生日プレゼントにPONTA BOXを観に行った(当時はベースが水野さんだった)。卒業を機に音楽活動からは足を洗ってしまったので、結局これが最後の生ポンタになってしまった。
ライヴが終了してほんの少しばかり後片付けをお手伝いした後、当時のアシスタント氏から(あるいはアシスタント氏を通して)頂いたパールのポンタモデルのスティック(確か106M)も、もう手元に残っていない。ポンタ本人はパール106のもっぱらメイプル版を使っていたとのことで、アレもなかなか良いスティックだったと思う。つーかアレがヒッコリーだったら重すぎるわい。
PONTA BOXはジャズをやるバンドだが、俺が観に行った時は、太鼓とシンバルは離して(シンバルはすごく高い位置に)セッティングしていた。普通、アコースティックジャズのコンボでやってるドラマーは、シンバルと太鼓は近い位置に(シンバルは低めに)セッティングしている。当時読んだドラムマガジンのインタビューでポンタが語ったところでは、スタジオでは太鼓とシンバルを離したセッティングにして音が混ざるのを防ぐということだった。それをPONTA BOXでもやるとは思わなかった。オールスタンディングでキャパ100行くかどうかの店で、ピアノトリオにしては音量は大き目で(ベースもエレベだし)、ドラムは太鼓とシンバルの音が共鳴して混ざりすぎないようにする狙いがあったということで合ってるだろうか?
ポンタの名演は腐るほどあるんだろうけど、俺は詳しくないので、たぶんポンタの名演として取り上げられることはないんだろうけど、個人的に気に入っている"PRISM LIVE"を挙げておく。1979年の演奏なので、天下のKYLYNと同じ年である。今日は"PRISM LIVE"から"TURTLE'S DREAM"、"DESPERATION Part-1 / OPEN MIND / DESPERATION Part-2"、"NIGHT PICNIC"、"BENEATH THE SEA"を聴いて寝る。
最後になったが、ポンタ先生にはいろいろ勉強させて頂いたのでR.I.P.